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「自己満足な作品」とそうじゃない作品の境界線

「自己満足な作品」とそうじゃない作品の境界線

よく日本で耳にする、「自己満足な作品」っていう言葉。
実際どういう作品たちを指していて、どういう風に世間では捉えられているのかを少し考えてみようと思います。(クラブハウスで色々と考察に付き合ってくれた皆さんありがとうございました。)

日本ではアート作品に対しての酷評の一つとして、「君の作品ってさ、自己満足だよね」っていうワードをよく耳にします。実際これってどういう意味なんだろうか?っていうところからスタート。自己満足がいいのか悪いのかっていう話はとりあえず置いておきましょう。

 

「自己満足な作品だよね。」が
何を意味しているのか考えてみる

色々と考えてみた結果、まずこの場合皆さんが使っている「自己満足」っていうワードには色々な意味が含まれているんだろうと思います。要するに、すごくアバウトなワードっていうことがわかります。人それぞれに含んでいる意味合いが多分違うだろうし、状況にもよるし、もっと言えばこれのワードが流行っている定型文みたいなものになっているので、結果的にこのワードを使う人も実際にどんな意味が含まれているのかということをわかっていない可能性も多分にあります。

クラブハウスで色々な人と議論してみた結果、一つ出てきた答えは、この自己満足だよね、って相手にいうシチュエーションは「自分の世界の中だけで楽しんでるよね」っていうことをニュアンスを含んでいるんだろうということです。つまり「あなたの作品の伝えたいことなり、コンセプトなりは、こちら側に届いてないよ。」っていうことを相手に伝えていることが多いだろうということです。
趣味で絵を描いて出来上がった作品っていうのは、特に美術の世界に対して、もしくは鑑賞者に対してどういう意味をもたらすのか、などといったベクトルを持っていないことが多いでしょう。基本的には自分が楽しくて自分の好きなように作った、自分の世界の中で完結していることが多いであろう、なので、こういった作品は割と相手の目にどう映るのか、例えばここでいう美術史的な史学的価値っていうのがどうとかみたいなことを考慮に入れていないと思われます。

この「こちら側(鑑賞者側)に届いてない」ということは、つまりその作品と鑑賞者の間での対話が行われていないということを指していそうです。「対話の素となる共通言語を所有していない作品だ」とも取れるでしょう。

 

美術作品における、
鑑賞者と製作者の共通言語とは

ではその共通言語はなんなのか?一つは、いつもこのブログで言っているように、「美術史学的価値」です。美術の世界では誰もが美術史の知識を持っているものなので、それを前提条件として美術史を踏まえた価値っていうもので会話することができます。ゴシックから数えても数百年の美術の歴史を踏まえた上での新規性が絶対的に必要なのが現代アートということになりますが、現代アート以外のアート作品だってもちろん存在します。そういった場合でも、その作品がどの時代に属されるような作品で、どういった価値を保有しているのかという価値基準はある程度必要かも知れません。そういった意味では現代アートの方がわかりやすいかも知れません。新規性というのはもう既にそれだけで確固たる価値がそこに存在するからです。ですが現代アートに属さない作品の価値基準は様々かも知れません。大きく分けていくつかありそうなので挙げてみます。

①伝統系
例えば19-20世紀に栄えた印象派に属するような作家さんたちは、現代の日本でもたくさんいらっしゃいます。そこにはもちろんさらなる新規性を見出し新しい印象派を求めている人もいますが、多くの場合は過去の印象派の絵画を継続しているような作品が多いです。日本画とかっていう方がわかりやすいかも知れませんが、美大にもある日本学科っていうのは古来からの日本画の描き方を学んだり、伝統文化を継承していく側面があったりします。これに属される作品っていうのは、その技法や表現方法の範囲内での「上手さ」や「忠実さ」、その中での「新規性」などが価値の共通言語になりそうです。それぞれの技法や時代に属す描き方の絵画教室があったり、そのコンクールなどがあったりしますね。

②工芸系・クオリティ系
上とかぶる部分が多いかなとは思いますが、緻密な作業で出来上がったタイプだったりして見る人をあっと驚かせるような作品というのもありますね。絵画で言えば、画力を全面に押し出すような作品だったり。これも共通言語はわかりやすくて「上手い」「すごい」っていうのが一番わかりやすい共通言語でしょう。新しいアイデアだっていう新規性ももちろん出てきそうですね。ただそういった場合は少しデザイン性のベクトルなケースが多いのかなとも思います。作品の中身のコンセプトなどの部分の新規性ではなくて、表現方法の技法や素材なんかにフォーカスされた「新しさ」っていうのが多いのかなと思います。

そして一番このテーマにフィットしているグループが次の

③自己表現系
日本で広義化した「アート」っていう作品では、かなりの比重を占めそうですが、自分を表現していくことで「感性」っていうワードが重要な形態ですね。このグループの作品に対してが、一番「自己満足だよね」って言われてしまいやすいのかなと思いました。まぁそりゃあ自己表現だったりするわけでなので、自己満足だよねって言われてしまうのは仕方がない。それがいいか悪いかっていうのは別の議論かなとは思うけれど。この場合の共通言語が他に比べて圧倒的に少ないことが今回の問題点かなと思いました。抽象的表現が多いので、上記二つのような「上手さ」を作る側も見る側も求めていなかったりします。そして新しさっていうのが判断しにくい。日本でアートっていうもの自体の広義化の中にいるくらい、普遍化し、多くの日本人が「アートは自己表現」「アートは問題提議」(ていうかこれ誰が言い出したの?)って思っている部分がある、そんなくらい普遍化した表現内容なので、そこには「内容の新規性」の余白が少ないでしょう。自分というフィルターを通して見た世界、社会への問題提議とか、ファンタジーだったり。なので結果的に「共感」が共通言語になりうるんだと思います。ただそうなると共感できなかった場合、その作品はひょっとしたら独りよがり」の作品に成る可能性があります。

例えばその共感性っていうのが、非常にわかりやすかったら共通言語になり得ると思います。絵本とかっていうのがわかりやすいと思いますが、「ああ、教訓としたいことはこういうことね」っていうのは大人は読んですぐわかるものが多いでしょう。家族は大事にしようねとか、人に優しくしようね、とか。絵本の昔話とかっていうのは、絵と物語(つまりは表現されたもの)で、子供に何を伝えたいのかがある程度分かっているので、非常にシンプルな共通言語を持っていると言えます。

ただやはりアート作品となると、シンプルなものよりもいかに自分の考えが、自分の世界観が、自分の感性が独特なのか、という独自の世界観っていうものを追う傾向にあります。なので結果的に「現代アートっぽい」難解性を所持しようとしてしまう作品が多いような気がします。この難解性というものに対して、作者と鑑賞者の間の共通言語」「読解の鍵」になるはずです。作品の中に共通言語を持っていない場合は、鍵を持たないでクイズに挑むような形になってしまうので、結果的に生まれた言葉が「見る人それぞれの感じ方があっていい」とか「アートは感性で見るものだ」というような言葉が生まれたんだろうなと思います。侘び寂びとか、情緒とかが得意な日本人らしい作風だなと個人的には感じています。現に世界レベルアートフェアを見ても、日本人の作品だなっていうのはパッと見てわかるくらいには、特徴的だなと思います。

 

今日のまとめ!

という感じで、少しまとめると
「自己満足な作品だよね。」っていう酷評に近い意味合いを含んだこのワードの裏には、「独りよがりだよね」っていう意味合いが含まれていて、それがどういう意味かと言えば、「君が作品を通して伝えたいことが、伝わってこない」ということを示唆しているのかなと思いました。ではなんで伝わらないのか(あなたに、もしくはすぐに、伝わるべきかどうかっていう部分は置いておいて)というと、「作者と鑑賞者の間に、共通言語が存在していないから」と言えるのかなと思いました。

まぁ別に、そんなことを言ってきた人に分かってもらう必要がそもそもあるのか?とかそういうことは別の議論かなと思います。例えば有名なコンクールとか、それなりの評価をする人に対するアプローチとして、共通言語の有無、もしくは多い少ないっていうのは作品の評価に直結するものだからです。特に今回は良い悪いという点には言及してこなかったのですが、個人的には共通言語が多い方がいい作品だなと思います。それは単純明快である必要はなくて、難解だけれど共通言語が多い作品というのは、時間をかけて理解されることで、より作品の素晴らしさとなるのかなと思います。多分これは日本語的にいうと「深み」みたいなことで、これは前回の記事で書いてました。

 

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Masaki Hagino
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