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アーティストとして美術を研究するって一体どういうこと?

アーティストとして美術を研究するって一体どういうこと?

前回の記事が思ったよりも多くの方に読んで頂いて、質問もツイッターやメール等でちらほら頂きました。日本ではやはりアーティスト自身による、技法面だけではない、内容面での「美術の研究」のイメージがつきにくいのかなと言うのが感想です。ドイツの美大では下の学生を見たりするポジションにいましたが、ここら辺を理解してもらうのは大変でした。趣味の製作、お絵描きや工作から脱出するにはどうすることが必要なのか。

制作のための美術研究とはどういった事をするべきなのかを今回、少し掘り下げていきたいと思います。

研究の基本

そもそも研究とはどういったことなのか、という根本を考えてみます。ひとえに研究といってもいろいろあるとは思いますが、前提として研究とは「何か新しいものを発見するため」に行うものであるはずです。数学、科学、文学とそれぞれ研究の内容やスタイル、意義や価値は千差万別だと思います。

例えば過去の有名な研究のアンチテーゼとして、問題点を指摘することをベースにすることだって、分野によれば価値になりますし、過去のやりかけの研究を進化させるだったり、これまである既存のシステムやマシンの効率を上げることだけにフォーカスしたり。はたまた、全くの0から新しいものを発見する過程を研究するか。

美術に関してもその研究は幅広いです。さらにいうとアーティストが行う研究と、専門家が行う研究は少し別のものであるように思います。どこが大きく違うのかと言うと、私たちアーティストが行う研究は「自分の作品に繋がる研究」であって、後者は、「学問として美術のそのものの研究」である部分かなと思います。前者は、自分の作品のため、どこに価値を付けていくのか、自分の作品のどこに価値があるのか、という点を追求するのに対し、後者は例えば絵画で言えば、描かれている物体をかなり詳しく分析したり、その作家の人生を追ったり、その時代どんな素材が使われていたとか。少しベクトルが違うのかなと思います。もちろんかぶる部分はあるのですが。私は前者のことについての経験しかありませんので、そのことだけにフォーカスして今回は話を進めていきますね。

アーティストが行う研究で、基本的に行うことは、調査・分析・実験 の三本柱であると思います。
例として、ドイツの美大での私の修論では、以下のように進めました。


・[内容面で]美術史からのアプローチ
この時代はこういうことが行われていた。この時代ではこうだった、つまり彼らはこんなことをしていた。じゃあ逆に現代ではこういうことに価値があるんじゃないだろうか。ということを挙げるためです。美術研究にはおそらく欠かせないメインになりうる部分だと思います。美術的価値を求める研究において、過去にどのような美術が、どのような価値を持っていたか。という部分がなによりも大事だと、個人的には思っています。基礎知識をしっかりと含んだ上で、細かな分析を足すといいと思います。

 

・[技術面で]美術史からのアプローチ
私の場合は遠近感の描写についてが重要でしたので、内容面とは別にこの作家が、この時代はこんな遠近法を使っていて、こういう効果があった。など比較をしたりして分析をしました。一般研究でいう、先行研究に近い部分ですので、徹底したリサーチが必要だと思っています。過去にこの分野ではどういう作品があって、今何が必要なのかを見極めるのが大切なことなんだと思います。

 

・他分野からのアプローチ
私の研究が評価を受けた点は、特にこの他分野からのアプローチを多く行なっていたことでした。例えば過去の美術に比べ、現代では科学の発達がひとつのアドバンテージです。それまで思想だけで行なっていた考え方も、科学的分析を用いて新しい考え方を裏付けることが出来ます。 ですので上にあげた内容面で挙げた部分にまつわる研究を、哲学、美学、脳科学、心理学などの他の研究結果を用いて分析しました。


・実験について
これまで挙げた内容を元に、ではどうやってその内容を作品として「表現するのか」という実験方法や過程、結果を説明します。ここからのフェーズでは、個人的な実験、研究をどんどんまとめます。できるだけ細かな内容も記載すべきです。日本で書いた学士の卒論では、当時写真を用いた実験をしていましたので、薬品の配合比率を0.2gずつ動かしてプリントしたもののリストなど、実験的なプロセスの経過などを載せていきます。絵画の場合は、どういう部分に気を配って製作しているのか、これまでの製作でなにがどのように変化しているのかなど。

 

どこから、どうやって進めたらいい?

アメリカにいた頃、研究が大事なんだ!ってことに気づいてから、自分の研究テーマを見つけるまでとても苦労した思い出があります。それまで自分が思いついた面白いと思ったことを制作していたりしましたが、それだとただの自分の興味を追うだけの、俗にいう「自己満足の作品」になりやすいと思います。自己満足でなにが悪いのか!という意見があるのはわかりますが、いい悪いの話ではまったくなくて、ただそれは美術とは呼ばれない別の何かに進むベクトルを思っているのかなと思っています。繰り返しになりますが、美術とは学問なので、学問的な美術的価値が必要である。ということが海外で美術を学んできた、一番大切な考え方です。

進め方のステップ
・自分の興味のある作家、作品を知ってみる。
・その作品がなぜ自分にとって特別いい作品なのか、またなぜ評価されたのかなどを細かく分析する。
・現代の価値を探す。
・研究を制作に結びつける。

・自分の興味のある作家、作品を知ってみる。

今自分の研究テーマがまだ持てていないという人は、どこからスタートしてどう探せばいいのでしょうか。
私が行ったこととしては、ひとまず美術史を勉強しました。毎日大学の図書館で膨大な美術参考書に目を通しました。画集でもいいですし、細かな研究がなされている本でも、技法の解説がなされているものでも、なんでもいいので、「学問的としての美術」を知るところから始めました。当時はそれまで全く美術史に興味がなく、今の現状、不甲斐ない自分が悔しくて、アメリカの大学の図書館で、辞書を片手に泣きながら本を読み続けて、掃除のおばちゃんに心配されてチョコをもらう毎日でした。
ずっとやってると、おそらくですが、自分の好きな、興味のあるテーマが見つかってくると思います。私の場合は当時興味をそそられたのは「コンセプチュアルアート」の本でした。(アマゾンのリンクを貼っておきますね)デュシャンに興味がそそられたのはそのあとになりますが、オッペンハイムやコスースの作品を見て、衝撃を受けた記憶があります。
そこからその本に出てくるようなアーティストの作品集や画集などを読んで、ひとりひとりがどういう人生で、どういう作品の進化をさせてきたのかなどを知っていきました。

 

・そして細かく分析する。

興味のある作家や作品がわかったとしても、それが必ずしも、自分が作りたい作品と同じになるかはわかりません。もちろんその作家が、その作品が評価されたから、自分も似たような作品を作ればいいというわけでは決してありません。それは模倣になってしまいますし、更に言えば、その作品はその時代に生まれたからこそ評価されたのであって、今同じような作品を作っても評価されるわけではありません。ですので次のステップとしては、自分の興味のある傾向が分かれば、もう少し踏み込んで研究をするべきです。その作品がなぜ自分にとって特別いい作品なのか、またなぜ評価されたのかなどを細かく分析することが必要になってきます。
私の場合は、これまで絵画など2次元の表現を行ってきたため、彫刻とは全く別の新しい立体であったことや、表面的な部分にではなく中身の部分で美術表現を行っているコンセプチュアルアートに惹かれました。特にシュルレアリスムなどは心理学者や哲学者との連携があったアーティストも多く、そのことは当時の私にとって、とても新しい部分でした。

・現代の価値を探す

あなたが発見したその興味は、必ずしも現代作家ではないと思います。むしろ現代作家ではない方が望ましいと思います。現代作家から何かをインスパイアしても結局コピーや模倣に近づいてしまう危険性があるためです。ですので自分だけのものを探すためには、まずは過去の美術史から探すのがいいと思います。当時評価を受けた作品は、もちろんですが今あなたが行っても評価ないことが多いでしょう。ですのであなたが発見したポイントを、「じゃあ現代に置き換えると、どういう部分に価値があるのだろうか」ということを考えていく必要があります。例えば私の研究では、キュビズムの多点透視法をさらに進化させるにはどうしたらいいのかという方向性です。それにはキュビズム当時に加味されていなかった、脳科学や心理学、哲学などの分野の裏付けをしながら、考えていければ新しいものが生まれるのではないかというアイデアがありました。 そう言う意味で、現代作家にも目を向けておかなければいけません。すでに最近同じようなことをやっていた人がいたりすると、模倣の点でも、評価を受けにくいと言う点でもいろいろを問題になりかねないので。あれとこれを混ぜてみたり、ハイブリッドさせたり。「現代で誰もやっていないこと」が大事なのはもちろんですが、過去のものを進化させるということでももちろん価値があることです。

・制作に結びつけていく

次に作家としての研究を進めていくのであれば、私たちは上記のことをバックグラウンドに、製作に結びつけていくようなベクトルに進んでいく必要があります。知識だけ詰め込んでも、作品にそれが転化、または昇華されていなければ意味がありません。難しい部分だとは思うのですが、下の学生を見ていた立場で言うと、「自分の個人的なやりたいことが優先されていないか」ということに気をつけて欲しいなと思います。これはどういうことなのかと言うと、

「上記のような研究」→「現代で価値のある自分のための研究題材を見つける」→「それにあった制作技法を探していく」→「制作実験を行っていく」
という形が一番なわけです。もちろん最初のステップで自分ができることなどが視野に入っているとは思うのですが、技法ややりたいことが先行してしまうと下記のような手順になります。

「こういう技法でこういう作風がいい」→「研究でコンセプトを探す」→「こじつけで取って付けたようなコンセプトを貼っていく」→「制作を続けても新しいものが生まれてこない」
と言う形になってしまいます。こういった形が結構多く見られます。自分の好きなことをやっちゃいけないとかそういうことではなく、あくまでも「現代で行って価値があるかどうか」という土台の上で好きなことをやっていく必要があると思います。それを「自分の好きなこと」が一番下の土台にしてしまうと、その上に乗せていくものがどんどんと小さいものしか乗せられなくなってしまう。ということです。
例えば、「色鉛筆での表現が好き」からスタートして色鉛筆にこだわってしまうと、いろいろとあとあと難しくなってしまうのはなんとなく想像できませんか?
(言わんとしてることが伝わっていると嬉しいのですが…)
マン・レイやピカソやホックニーなんかも一つの技法にだけこだわらず、様々な形の作品を作っています。ですが彼らの研究対象はブレていません。作家人生をかけて研究していくものを見つけて、それを生涯かけて研究制作していく。その過程だからこそ別技法で試していくことができるため、別の作品も作れる。 ということです。

別の危険性

これは別の話ですが、本当に早い段階から研究対象を見つけて、研究を進めていくのがいいのか、という点です。教育者の方もこのブログを見ていただいているみたいですが、この点においては議論の余地があるように思います。個人的には早い段階から見つけて、研究、実験、制作を積み重ねて、それを深化させていくことが大切だと思っています。ですが一方、早い段階から決め打ちをすると可能性を狭めていくことになるのではないか、という懸念があるのもわかります。教育者として若い人たちをリードしていく経験が少ないので、こういった部分は思考不足です、すみません。
いろんなことを好きに試してみて、そこからゆっくり絞っていく方が結果的にいい作品が生まれるかもしれません。私が通っていたドイツの美大では、いろんなことを見て学んで進んでいくスタンスだったようにも思います。ワークショップや公演なども多く、いろんなところからいろんなことを学べる機会を提供していました。ですので学生たちは楽しく進んでいるという認識です。
一方私は、日本ですでにそのステップを済ましてきたということもあって、周りとは全く違うスタイルで進んでいたので… それができたから今こうして活動していけるほどの評価を得られるようになったのかなと思っていて、もっと早くからこういうスタンスで取り組むべきだったと思うわけです。ですが結局私も日本で学部の時はいろんなことに手当たり次第に手を出して来た過去があるので、それがベースになっているからこそできたことなのかなとも思います。
あまり他のアーティストと、どういう過程でここまできたのかということを話したことはなかったので、今度またいろんな人に聞いてみようかなと思います。みなさんはどういうプロセスで、今に至りましたか?よろしければコメント等で教えてください!

 

ということで研究の進め方について、私が行って来たことをベースに話をしてみました。
こんなことについて聞いてみたいということがあったらぜひコメントで教えてください!(ネタ不足なんです!)

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