【ドイツ美大留学】Part 3 渡独前のいろいろと受験準備
だいぶ更新がおそくなってしまってしまいました。今回はようやく留学の準備に入っていきます。まずはどのようなプランで留学までこぎつけるか。人それぞれルートがあると思いますので、それに合わせて準備をしなければなりません。
留意しておいていただきたいのは、ドイツは街によってビザ申請の書類審査の内容が違ったり、審査の厳しさが違ったりといろいろありますので、これから書く内容をすべて鵜呑みにしないようにお願いします。 あ、あとこの記事シリーズは日本在住の日本人国籍を持っている方を対象にしています。
ドイツ美大留学のルート
まず知る必要があるのは、あなたはどのようにドイツ美大留学をするのかということ。ルートは主に2つ。
①交換留学(Erasmusを含む)
②学部、大学院または博士課程への正規入学または編入。
ざっくりいうとおそらくすべてこの中に含まれていると思います。要するに、他のドイツ人と同じルートを辿るか、大学間を通して短期で特別なルートを辿るかの違いです。これの選択肢によって入学にあたって、そして学生ビザ取得にあたって、必要書類が大きく変わって来ますので、注意してください。
おそらく交換留学等では、必要書類の説明など大学がやってくれると思うので、ここでは説明する必要がないように思います。ですので、私も辿ってきた正規留学のルートについて詳しく説明していきます。
ドイツ美大正規留学に必要な応募書類
ドイツの美大では、日本と同じように入学試験があります。形式は大学によりますが、作品集審査、面接、実技審査です。私の大学では一次審査で作品を送り、二次審査で実技と面接でした。作品集と面接のみで終わるところもあります。
必要なものは大体どの大学も以下の感じになると思います。
①語学力の証明 (英語かドイツ語)
②高校、または大学の成績証明(英語かドイツ語)
③作品集(Mappe)
④パスポートの写し
あとは合格してから、正式に入学手続きに必要なものが
(ビザ申請にもいるのでのちのちどうせ必要)
④ドイツ国内の住所
⑤銀行口座(これもおそらくドイツのものがベター)
⑥ビザの写し(手に入れてから送る)
⑦健康保険の証明(ドイツの健康保険がベター)
これくらいかなと思います。ではひとつずつ進めていきます。
①語学力の証明
交換留学と違って、正規留学に必要なもので一番大きな違いは、この語学力の証明です。大学によっては英語力の証明も必要だと聞いたことがありますが(この場合はToeflかIELTSでしょう)、基本的にはドイツ語力の証明になります。 以前の記事でもきっとどこかで説明してありますが、私はドイツ語力を上げてから入学すべきだと思っています。そのくらいドイツ語がままならないと、いろんなことに遅れを取り、講義やミーティング、面接などが多いドイツの美大で、ドイツ語力の差で学べる量が大きく変わって来ます。そして今後いろいろとドイツで活動していくのであれば、ドイツ語は必然です。
美大にはデザイン学部と美術学部に分かれる大学が多いと思います。語学力証明についてですが、なんと美術学部の方が求められるレベルが低かったりします。現にうちの大学も私が入学の際には提出しなければならないレベルが違いました。
さて提出書類ですが、もちろん公式のドイツ語テストの証明書が必要になります。日本の独検が利用可能かはちょっとわかりかねます…
選択肢は
GoetheInstitue
Telc
DSH
TestDaF
を始めとしたインターナショナルな公式試験の結果です。気になるそのレベルですが、デザイン系はC1レベル、美術系はB2レベルが最低でも必要だと思ってください。
ちなみに私はドイツ語が全くできない状態で渡独し、ドイツで週5で語学学校に通い始めましたが、このレベルに至るまでには1年から1年半かかります。A1からC1までやりました。参考までに。
②高校または大学の成績証明と卒業証明書
日本の高校から直接ドイツの美大留学が可能なのかどうかは、教育制度の違いで本当にできるかはわかりません。実際に高校卒業から直接留学している日本人にはお会いしたことがありませんので情報がありません。これからの話は私と同じように、日本の美大の学部、または大学院を卒業している方を対象にします。美大卒ではない方が可能かどうかもちょっと分かり兼ねます…
日本の美大を卒業した際に貰う、卒業証明書と、所得単位が書かれている成績証明、両方とも必要だと思います。日本大学の事務に言えば、おそらく英語バージョンも用意してくれるはずですので、最低でも英語の書類を、渡独前に獲得しておきましょう。
ドイツ美大の受験応募の時点でその書類が必要になります。英語でもOKというところが多いと思いますが、場合によっては、ドイツ語じゃないとだめと言われるかも知れません。そういった場合は公式の翻訳者のもとで翻訳をしてもらうか、またはドイツ式の成績に換算してくれるAnerkennungをやってもらう必要があります。
また同時に何校も応募したり、応募要項にコピーのみ受け付ける という記述があったりすると、原本ではなく、コピーを提出する必要があります。その際に自分で勝手にコピーしたものではいけません。これはおそらく改ざん防止の為です。(問題ないよって書いてあったら無視してください)
応募要項に書いてあるかもしれない(beglaubigte Kopie)という文字。これは、「Beglaubigung」という「このコピーは改ざんされてないよ!スタンプ」が付いてるコピーのことをそう呼びます。魔法のスタンプです。
要するに自分が勝手にコピーしたものじゃなく、「公正な第三者が原本と見比べて改ざんがないかどうかをチェックした、信用していいコピー」のことをいいます。
私が受験の際この情報があまりネットになかった為めちゃめちゃ大変でしたので、ぜひみなさんしっかり理解してほしいなと思います。
さてこのスタンプがどこでもらえるかというと、なんと市役所です。Beglaubigungをやってくれる場所があるので、調べてください。 Notarというこの仕事を専門にやってる機関もありますので、Notarのスタンプじゃないとダメだよって言われてないかを確認してください。Notarは一回のスタンプに結構な額を要求しますので、お財布と相談してください。たしか1つのスタンプに付き25ユーロくらいだったような…いい仕事。しかもNotar、予約がいるし仕事も遅いから時間かかって受験に間に合わないなんてことも。余裕を持って準備してください。
ただ市役所のおばちゃんが英語を読めなかったりすると、英語のコピーを受け付けてくれない可能性がありますので、それも注意。
このスタンプは3ヶ月くらいの有効期限しかないので、受験に合わせて用意してください。
長くなってしまったので、分けようと思います。
次はお金の話とビザの話。動画にも以前まとめたものがあるので、youtubeにあげてみます。
Web: http://masakihagino.com
Instagram: @masakihagino_art
twitter: @masakihaginoart
>>>次回
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