苦しんで描くということ。見える答えを追わないこと。
ここ3年くらいから制作の際に意識していること。
それは「苦しむこと」を続けていくことです。
考えて苦しむこと
僕は作家という仕事は、制作をして発表していくことではなく、「考えること」だと思っています。
どれだけ自分の作品を信じるか、それと同時に、その思考を信じるために
どれだけ自分自身を信じるかが大切なこの道で、
逆算をしていくと
自分を信じるだけの根拠が必要になっていきます。なんの根拠も確定もない自信を持っていてもなんにもならないので、だからこそ自分自身の思考の質を、判断基準を、経験値を上げていくことが必要になっていきます。
淀みなく筆が進むとき。制作が滞りなく進むとき。
僕はそういう時は、間違っている時なんだろうなと思っています。
作品の価値についての話を過去にもしましたが、答えというものは自分で決める部分よりも相手が決める部分が多かったりします。
そして自分の中の答えを追っているということは、
すでに知っている、わかっている正解に向けて制作をしている
ことになっていることが多いだろうなと思います。
人生を賭けて出そうとしている答えが、どこか自分の中にすでにあった。なんてこと、あるはずがない
その掴んでしまった目先の答えに向けて、筆を走らせている場合は
きっと
自分で作り上げてきたこれまでの正解にすがっている(量産している)
それか
自分の中の「いいな」と思うことを具現化しようとしている。
後者はつまり、
自分の記憶にある、過去に自分がいいなと思った誰かの作品を真似している
可能性を孕んでいるような気がしています。
悩んで苦しんで。制作が思うようにいかなくても逃げるのではなく
本を読んだり知識を増やしたり、誰かの作品を見たり。自分を成長させ別の角度から作品を見つめ直せるように。
苦しんだ結果、答えがいつのまにかキャンバスに乗っている
そんな道のりを通った作品がいい作品になるのではないかなと思います。
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