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今回はメンバーシップ記事からの転載です。
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いい作品を作るだけで
作家人生がうまく行くのか
という疑問は常々。
それもそのはず、
ギャラリーや美術館。どこで作品を見たとしても
見える部分は作品のみで
作家がどういう努力をした結果
そこでその作品が展示されているのかということは、見えるわけがないからだ。
なんかふとした愚痴を呟いたら
思いの外バズってしまって戸惑いを隠せないけれど
このことについてもう少し纏めようと思います。
「作品が良い」は前提条件
もちろん「では良い作品とは一体何か」というのは別議論だ。
その決定はいろんなファクターがあるし
case-by-caseだろうし
人によって、国によって、時代によって判断基準は変わる。
なので言語上でのざっくりとした「いい作品」ということで話を進めますね。
何であんなツイートをしたかというと、
最近ブログやPodcastでも、戦略がどうだとか応募がどうだコンペがどうだ、売れるためにはどうすればいいのかなんて話をしていたので
「ああこいつは作品を売るのに必死だな。」
「ああこいつは名前を売るのに必死だな。」
という意見をちらっと見たからなんだけれど
こと日本人は、お金の話が好きだけど嫌いだ。
正確にいうと、お金の話は大好きなんだけど
お金を稼ぐのに必死な奴や
お金を持っている奴の話が嫌いだ。
なのでアーティストとかが
お金の話をするとすぐに批判したい気持ちの悪い奴が湧いてくる。
でも僕はあまりお金に興味があるタイプでなくて
作品を未来に残す為には作品を売らないといけないからだと思っているので
作品を売る必要があるという話をしていて(https://note.com/embed/notes/nb2ee6863cffe)
名前を売る必要があるか?ということも同じようなことだ。
でもどれだけやったとしても
結局は作品が良いっていうのは前提条件の話。
作品が良くないと売れないし
作品が良くないとコンペには通らないし
作品が良くないとギャラリーは扱ってくれないし
作品が良くないと美術館は扱ってくれないし
みんな作品を良くする為に日々頑張ってる。そんなことはみんなわかってる。
それに追加で別の努力もしてるんだということを知ってほしい。
逆にもちろん作品が良くったって、という部分は山ほどある。
作品が良くてもすぐぶっ壊れる作品は扱いにくいだろうし
そんなことを言い始めたらキリがない
作品の良し悪しが全てだという意見
を持っている人も結構いる。
ステレオタイプな考え方から来ているのか
今でもなんとか先生の下にいるようなお弟子さんとかはそう思っているかもしれない。ただそれは絵画とか陶芸とかの話で
それと現代アートの世界(コンテンポラリー)とはまた別だと思う。
ここで厄介なのは
「作品は全然良くないけど」
(作品も知名度も)めっちゃ売れている人
というのが蔓延っているという事実だ。
これが話をややこしくしているんだと思う。
何でこれが起こるのかも少し考えてみよう。
これは普段から言ってる部分でもあるけれど
日本のアートリテラシーの低さが大きな要因の一つだと思う。
砕けて言うならば
「何が良い作品なのか」という判断基準がぐちゃぐちゃであることや、あったとしても低いからだ。
アートの知識が乏しく
見てきた量も少ない
となると、人はどうなるかというと
「みんながいいと言ってるやつは、きっといいに違いない」
と思考をサボりはじめる。
「有名な作品は良いはずだ」
これは半分正解で半分間違いだ。
ひとつは、最初に立ちかえっちゃうけれど、例えば
木梨憲武や香取慎吾の美術活動は当然有名で
その作品が有名な場所で展示されて
すごい来場者で、すごい値段で完売する。
というのは当然起こりうる話で
でもこれは「モノの価値が高いから」に他ならない。

この前も話を出したけれど
ヒロ・ヤマガタやラッセンだって同じで
日本人以外彼らの存在を知る人は少ない。
試しにラッセンの本名を、英語と日本語で検索してみてヒットする件数を比較してみてほしい。
つまりこの
「有名だから」っていうのも
精査されているわけではなくて
日本で有名だからという理由で、それは凄いことだけれど、その感覚はワールドスタンダードではない可能性も考慮すべきなはずだ。
話が少し逸れたけれど
なぜ「作品が良いだけじゃダメだ」と言ったら
「作品の良し悪し」が全てだろ!
という人が出てくるかというと
「作品はよくないけど有名になって売れてるだけ」という人が目立っていたりするのが気に食わないんだと思う。
それは確かにそうだ。そんなことは本来起こるべきではない。でもそれはモノとしての価値もあるから仕方がない。
極端なことを言えば、お金持ちが横のつながりで何とかした、美人だから売れている、枕営業だなんだって色々言うことはできるけど
そんななんちゃってアーティストのどうでもいいことを話してるんじゃない。
そんな奴ら黙らせるくらいの
作品の力をつければいい!!
だからそうじゃない。
作品の力があったとて
何回も言うけれど、作品が良いこと
作品の力があるということは大前提で
世界中で有名で実力のあるアーティストは
いろんなことに時間を割いて努力をしているんだよという話。(やっと本題)
世界中のアートシーンでどういうことが起こっているのか
どんなアーティストが評価を受けているのか
あのアートフェアではどんな作品が出ていて
あのオークションではどんな作品が出ていて
あのビエンナーレではどんな作品が出ていて
あのコンペの応募時期は…
調べなきゃいけない事は常に毎日山ほどある。
トップの人達でさえ
いやむしろ世界で活躍してる人達ほどやってる。
日本人の作家さん達に通じて言えることは、情報収集が足りないことだと思う。
これは英語が苦手ということにも繋がると思うけれど、今や翻訳の精度はどんどん上がっているし
AIもいくらでも使えるんだから、もう海外の情報を拾えないということはただの言い訳で、怠慢でしかないと思う。日本では無名かも知れないけれど、海外では知ってて当然のアーティストなんて沢山いる。それはなぜかと言えば、日本の美術館でまだ展示がされてなかったというだけで。
ロニ・ホーンとか、レベッカ・ホルンとか、ようやく日本で展示されていたけれど、それ以前彼女達を知る人は少なかっただろう。
ある程度の作業なんかは
アシスタントを雇えれば何とかなるかも。
でも知識はどうすんの?情報はどうすんの?
実際見に行って自分の目で見ないとわかんない事も多い
すでに成功していると言われるような人でさえ
いろんなところに応募はしてるし
制作以外の部分でも努力してる。
じゃあ成功してない僕らは
彼らよりももっと努力しなきゃいけないのは当然でしょう。
作品でも勝てないし
見えない努力でも勝てないんじゃ
勝つとこない。
作品を良くする努力なんて誰でもやってるし
そんなこと当然だ。
それ以外にもやることめっちゃあるよという話。
僕がめっちゃ努力してるよって話じゃなくて
僕も頑張るのでみんなも一緒に頑張ろうねという話。
世界中のコンペ情報とかニュースとか、こんなことやってみた、失敗した、いろんなことをシェアするので:)


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