アートとAIの交差点―現代美術における記憶とテクノロジー革命

アートとAIの交差点―現代美術における記憶とテクノロジー革命

Refik Anadol、Lauren McCarthy、Sougwen Chungら7名の先駆的なアーティストの実践を通して、AIアートが提示する新たな創造性の地平を紐解きます。 データが描く記憶の風景から、機械との協働による身体性の拡張まで、彼らの作品は人間中心的な芸術の枠組みを揺るがします。 技術が創造性を拡張する現代において、アートとは、記憶とは、そして私たち自身とは何か。 AIアートは、21世紀の私たちの存在を問い直す、新たな対話の始まりです。


こんにちは、こんばんはMasaki(@masakihagino_art)です。
今回から結構な期間、更新が滞ってしまっていた、世界で注目されているコンテンポラリーアーティストの紹介記事を復活させていこうかなと思います。

世界では結構な注目度があるのに、日本語ではまだ情報が少ない作家を、海外のサイトからまとめていくので、ぜひぜひじっくり読んでみてください!
また、現存作家を紹介していくので、著作権の関係で画像を直接ここに貼ったりはしない方が良いので、リンクだけまとめて行く形になります。ジャンプするのは手間かも知れませんが、そこだけご了承ください。

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アートとAIの交差点―現代美術における記憶とテクノロジー革命

現代美術の最前線で、人工知能(AI)技術とアートが融合した革命的な表現が次々と生まれています。これまでの芸術創作における人間中心主義的な枠組みを超越し、機械学習アルゴリズムやデータ処理技術を創作プロセスに組み込んだ新しい芸術形態が、世界の一流美術館やギャラリーで注目を集めています。本稿では、この分野のパイオニアとして国際的に評価を受けている7名のアーティストの作品を通じて、AIアートが提示する記憶、アイデンティティ、創造性の新たな可能性について考察します。

データが描く記憶の風景―Refik Anadolの挑戦

トルコ出身のメディアアーティストRefik Anadol(レフィク・アナドル、1985-)は、現代AIアート界において最も影響力のある作家の一人です。インスタや、Tiktokなどで、彼の作品のショート動画などを見たことがある人も少ないかも知れません。2022年から2023年にかけてニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された大規模個展《Unsupervised》(2022-2023)では、同館が所蔵する約20万点の作品データを機械学習アルゴリズムで解析し、全く新しい視覚体験を創出しました。この作品は、美術史上の傑作群を「記憶」として蓄積した人工知能が、それらの情報を再構築し、人間の想像を超えた美的表現を生み出すプロセスを可視化したものです。

このラインより上のエリアが無料で表示されます。

Refik AnadolEmbedding media arts into architecture with data and machinerefikanadol.com

Anadolの作品で特筆すべきは、単なる技術的な実験にとどまらず、美術館という制度的な記憶装置そのものを問い直している点です。彼の大規模インスタレーション作品は、ヴェネツィア・ビエンナーレやポンピドゥー・センターでも展示され、データとAIアルゴリズムを用いた新しい芸術言語の可能性を世界に示しています。特に注目すべきは、彼が扱う「記憶」の概念が、個人的な体験から集合的な文化記憶まで多層的に展開されている点です。機械学習システムが大量の文化的データを学習し、それを独自の視覚言語として再構築するプロセスは、人間の記憶形成メカニズムとも共鳴する部分があります。

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