ドイツ美大の卒業試験について
Hallo ihr Lieben! 更新がまた少し空いてしまいました。
新年一つ目ということで!あけましておめでとうございます。2019年もよろしくお願い致します。
さて今回は卒業試験まであと2週間切っている私が
いや、こんなことしてる場合じゃないんだよなあというプレッシャーを感じながら解説していきます!
ドイツ美大卒業と日本美大卒業の大きな違い
ドイツ美大、日本美大全部に当てはまるとは思わないのですが、あくまでも私が見て来た範囲内の中での話ですので
全部の大学に共通しないかもしれませんが…
美大だけに限りませんが、日本の大学は学年という意識がしっかりあって、全員が年々スライドして上に上がって行くと思いますが
ドイツの大学は、そこらへんが個人の自由になっている感覚です。ですのでドイツでは何学年かというよりかは、何学期目かを聞かれることが多いです。
Erasmusという他国への留学制度を利用して、前期分を休学したり、個人的な理由でなんとなく卒業を伸ばしたりということがよくあるので、卒業の時期を個人で選ぶことができます。
ですので必然的に、ドイツの美大では日本やアメリカのような、全学生参加型の卒業式や卒業展示会がありません。この時期になるとみんな久しぶりに会うと「あれ?今何ゼメ?(何学期目?)卒業試験の申請いつやんの?」っていう会話が飛び交います。
日本では卒業展示会、通称「卒展」がどの美大にもあると思います。大学キャンパス全体で展示をする大学もあれば、大学の所有のギャラリースペースや、どこか別の展示会場や美術館を貸し切って、一般の人が多く見に来るような大きな展示会を開催します。だいたい3月中旬ごろになると思います。
裏ではどういう流れになっているのかというと…
日本美大の卒業までの流れ
大学4年生になると、卒業の準備が始まります。デザイン系の人たちは多いと思いますが、就活と並行してるのでそれはもう死にもの狂いで、徹夜の日々が… 建築系やプロダクト系などモックやモデルを作らないといけなかったり、作業量が多い場合、後輩たちのお手伝いをスカウトします。後輩たちにとっては先輩からいろんなことを学べるので進んでやらせてください!と応募にいくこともあります。優秀な後輩は争奪戦になりますし、多くを学べそうな先輩には多くの後輩が集まったりも。美術の方には個人制作が多いとは思いますが、大きな装置を作ったり雑用などサポートを頼むこともよくあることだと思います。
私の日本での大学では卒業論文も提出しなければなりませんでしたが、これが全ての日本の美大に当てはまるかどうかはわかりません。個人的な感覚では卒論を書く美術学部は少ないのかなあと思います。(デザイン系は多いかも)何度もこのブログで論じていますが、やはり日本の美大では学問的なことよりも技術的なところに、重点を置いている様な気がしています。卒展見るとよくわかります。
卒展の前には、卒業審査の試験があります。卒展前にプレゼン講評の日程が組まれる場合もあれば、大学によっては卒展で教授たちの講評があるところもあると思います。これは結構大きな差で、もうそれはそれは徹夜続きなんかで卒制に向かって行っているので、みんな完成とやる気を講評がある試験日に終わりを持っていきます。卒展の会場で講評がある場合は、終点が卒展=試験なのですが、事前に講評があると卒展のモチベーションがまた別のなのかなと思います。
試験では作品についてプレゼンを行い、教授との質疑応答で、点数をつけられる形が多いのかなと思います。
その後一般公開の卒展が始まります。最終日には審査員からの表彰があったりなども。その後別日程で卒業式が大学全体で、または学部で組まれると思います。
日本の場合、卒展の準備は大学の事務も手伝ってくれたり、実行員を組んでみんなで準備したり。卒業にはだいたい作品を2、3点ほど提出するのかなと思います。群作だと点数は増えるかも。大きなものでは1点でも問題ないはずです。卒業試験のためにみんなその数点にフォーカスして、かなり大きなものを作ったりしますね。デザイン系はコンセプトなどが書かれた説明文の載ったパネルと実際のモデル展示がメインだと思います。
個人的な意見を言えば、4年間の研究の成果をたった数点に詰め込むのはとても大変です。結果大作を作ることに意識がいっちゃう人も多いイメージです。展示会が全員合同なわけですので、卒展で目立つために!みたいなこともあります。4年間の研究を出すべきものですが、結果的に作ったことのない人生で初めて作る一番大きな作品を卒展に持って来る学生もいるのは、ちょっと違うんだよなと思うことも。
ドイツ美大の卒業までの流れ
一方ドイツの美大は、卒業生の展示会はすべて自分で行います。上に述べた様に卒業の時期が個人個人全く別なので、手続き等すべて自分で行います。あ、そもそもですが大学の在籍の延長を各学期に個人個人自分で行う必要があります。ほっといても事務がやってくれて勝手に学年が上がってるみたいなことはなく、申請を半年ごとに自分でしていきます。卒業についても同じで、単位確認を済ませ、卒業申請をします。試験官の教授を自分で選び、コンタクトを取って面接をして。サインをもらって申請を済ませます。私が今いる大学は全学部卒論提出も求められていますので、座学の教授にも試験官をやってもらいます。卒論の点数と卒制の点数は別評価になります。
展示会場も時期も自分で選び、自分で全てオーガナイズをします。基本的には個展開催を求められています。つまり作品の点数は数十点にもなります。もちろん大変なことですが、在学中から常に最後の卒業試験のことを考えてそれに進んで、一貫した研究をしつづけられるのが大きな利点かなと思います。そもそもドイツ美大は入学した時点から、学科の教授のゼミに入る様な感覚ですので、在学期間全てその教授からのアドバイスをもらい続けられますし、研究発表としての卒展・卒制ができるのかなと思います。
逆に言えば自由なので、アトリエに作品を並べて、教授だけ試験のために呼んで、ささっと終わる人もいたりします。
私は大学の一番大きなギャラリーを貸し切って、週末のみですが一般公開の個展を行います。準備真っ只中ですが…
ということで告知です!
Im Rahmen seiner Diplompräsentation stellt Masaki Hagino seine Bilder aus der Serie “Es weilt im Inneren” aus.
Die Ausstellung ist öffentlich und kostenfrei. Alle interessierten sind herzlich eingeladen.
„Es weilt im Inneren.“ Mit diesen Worten fasst der japanische Künstler Masaki Hagino seine Intention zusammen. „Aus meiner Sicht nehmen Menschen die Welt oft wie durch einen Filter aus Gefühlen, Vorurteilen und erworbenem Wissen wahr. Ich glaube, dass meine Arbeiten erst vollkommen werden, wenn sie eine Verbindung mit den Emotionen und Gedanken der Menschen eingehen.“
Er bearbeitet seine Leinwand zwischen jedem Farbauftrag mit mehreren Schichten Paraffinwachs, dessen Zwischenräume sich dann mit Farbe füllen. Dadurch entsteht der Eindruck von Plastizität und kommt zu einem versierten Spiel mit sich überlagernden Schichten, eben jener angenommenen Filter, die der inneren Wirklichkeit vorgeblendet sind und die es seiner Meinung nach zu hinterfragen gilt.
Man sollte sich den geheimnisvollen Kompositionen dieser Serie behutsam nähern, denn es erfordert Ruhe und Geduld, sich auf die innere Spurensuche einzulassen.
Masaki Hagino, geboren in 1987, und beendete in 2011 sein BA Grafik Design an der Städtischen Universität Nagoya in Japan.
Öffnungszeiten :
1. Feb. 11:00 – 19:00 Uhr
2. Feb. 11:00 – 19:00 Uhr
3. Feb. 11:00 – 15:00 Uhr
Ort :
Burg Galerie im Volkspark
Schleifweg 8a, 06114 Halle
Masaki Hagino
Web: http://masakihagino.com
Instagram: @masakihagino_art
twitter: @masakihaginoart
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